儲かる不動産投資は、地図から探せ!
第1章 地図を使えば土地勘がなくても地方不動産投資ができる!
地方は人口減だ、不動産投資は人口が安定している東京が良い・・・
この発想は根本的に間違っている。
地方は均等に人口が減っているのではない。
減っている地域と減っていない地域が混在しているのだ。
後者を選べば東京以上の収益を期待できる。
そもそも人口トレンドと賃貸物件の需給バランスは、イコールではない。
人口減の地域でも物件過少なら、需給バランスが逼迫している場合もあるのだ。
例えば札幌は人口190万人、一方青森市は29万人で人口減少傾向。
しかし青森市は需給バランスが逼迫しているため、客付けしやすい。
しかも札幌で家賃2万円のワンルームと同規模なら、青森市では4万円が相場だ。
また地方は新築後数十年ずっと同じ内装という部屋が、ゴロゴロしている。
リフォームの一手間をかければハイリスク物件が、ミドルリスク・ミドルリターン化する場合も多い。
さらに地方の物件は、都心と比較すると投資プレイヤーが圧倒的に少ない。
プレイヤーが少ないということは流動性が低いことを意味する。
流動性の低さはデメリットに思えるが、価格交渉しやすいメリットになる。
8,000万円の物件が6,000万円で購入できるケースもあるのが、地方不動産の醍醐味だ。
ただし地方物件は空室リスクが高いというリスクがある。
研究や分析は必要だ。
しかしそれらのリスクは地図活用で、低減できるのだ。
第2章 勝ち組み物件が見抜けるプロの地図の見方
物件を見に行く前に、地図でその物件がどのようなエリアに位置しているかの確認は必須だ。
県単位の地図を用意し、見てみよう。
狙い目は県庁所在地に次ぐ規模の都市だ。
こうした市の市役所最寄り駅は昔ながらの街が広がり、一定の賃貸需要が見込める。
・面
具体的な地図の見方だが、まずは地図を「面」で見る。
面ごとのエリアの特性を大まかに捉えるのだ。
主要駅近辺のデパートや商店街のあるエリアなら商業エリア、工場が集積していれば工業・工場団地エリアといった具合だ。
・線
次に「線」で見る。
線とは人の動線のことで、鉄道路線や幹線道路がそれにあたる。
先ほどの面と線を組み合わせると、そのエリアの住人がどのように動いて生活しているか、ストーリーや人の流れが見えてくる。
例えば住宅エリアから工場にゆく場合、クルマならどの道を利用し移動するか、鉄道なら駅までどう行くかといった具合だ。
・点
最後は「点」だ。
地図上で物件に点を記そう。
そうすれば物件がどのような背景の場所かも、自然にわかってくる。
次の作業で大切なのが、駐車場率を導き出すことだ。
駐車場が必要か否か、必要なら部屋数に対し何%の駐車場が必要なのか。
地方のファミリー向け物件は部屋数に対し200%、単身者向けで郊外なら100%が基準だ。
その他のポイントしては
・川の位置:川を越える、超えないで家賃や客付けが変わるケースがある。
・インター:高速道路のインター付近は工場や倉庫が多く、住宅需要もある。
・ショッピングモール:モールへのアクセスの良さは入居付けに有利になる。
などがあげられる。
第3章 物件をできるだけ安く購入する5つのコツ
■コツ1:ネットを活用して相場観をつかむ
現地に行く前に、ネット上で数多くの物件情報を見よう。
築年数、部屋数、間取り、価格などを確認し、投資地域や物件の相場観を培うことが大切である。
■コツ2:現地で10棟以上物件を見学する
10棟以上実際に見ると、不動産相場の理由が実感としてつかめるようになる。
実際に見ることで相場観もさらに磨かれ、価格交渉しやすくなる。
■コツ3:賃貸仲介を積極的に行っている会社から情報を得る
賃貸に力を入れている不動産会社は、日々入居先を探している顧客と接している。
どのような物件にどのくらい需要があるか、こうした情報は売買ではなく賃貸仲介会社でしか得られない。
■コツ4:小さい売買仲介会社にお宝物件が眠っている
売りやすい優良物件はネットに出さず、自分たちの手で直接販売したいと考える。
下手にネットに出すと他の仲介会社や個人客が、売主へ直接交渉するリスクが生じるからだ。
お宝物件を探すには現地の売買仲介会社と仲良くなり、直接情報をもらうことだ。
■コツ5:自分の手の内は絶対に見せない
その物件をどのくらいの価格、あるいは利回りで購入したいかまずはっきりさせることだ。
その上で値段交渉の鉄則は、自分の手の内を見せず、できるだけ向こうから値段を言ってもらうようにすることだ。
最初は極力低い値を伝えること。
長く購入者がいない物件は、交渉できる可能性が高い。
第4章 銀行は、あなたのここを見ている!
銀行との付き合い方だが、「物件を探す前」に銀行にあたるのが正しい順番だ。
最初にやるべきは、自分が銀行からどれくらいの融資を引けるかを確認することである。
銀行からの融資条件がわかれば、投資のやり方も決まってくる。
また、投資計画で大切なことは物件規模より収支を優先することだ。
収支がカツカツであれば、銀行は評価してくれない。
交渉すべき金融機関だが、不動産初心者は日本政策金融公庫が一番である。
投資物件が2軒目、3軒目となった場合には物件がある地域の「第一地銀」がおすすめだ。
第一地銀であれば、ほとんどの銀行が東京にも支店を持っている。
例えば東京の人が地方物件の融資を受ける場合、東京で債務者管理できるので前向きに対応してくれる。
では東京支店で交渉した方が良いかというと、そうではない。
地銀の東京支店は融資をあまり重視していないからだ。
おすすめは物件に近い、大きな支店である。
物件近くであれば、担当者が地域事情を理解しているし、大きな支店であれば数千万円から億単位の融資にも慣れているからだ。
銀行との交渉で重要なのは
・物件概要
・キャッシュフローシート
・自分の経歴書
・不動産運用ポリシー
これら四点を作成して交渉に臨むことだ。
どんな人物がどんな目的で、どんな計画で投資を行おうとしているか、相手に理解してもらうことが重要である。
なお銀行での交渉は金利ではなく、融資額一本に絞るべきだ。
手元に資金が少なければ、不動産事業は広がらないからだ。
第5章 満室経営のために、この5つのポイントを押さえなさい
リフォーム費用は物件価格の1割が目安だ。
最も力を入れるべきは壁紙と床のクッションフロアである。
これを入れ替えるだけで、内覧時の印象はガラリと変わる。
次に大事なことは賃貸仲介の営業マンを味方にすること。
仲介会社をやる気にさせるには三種の神器が必要だ。
・物件概要&物件広告
物件概要は物件の住所、築年数、構造、間取りなど内覧写真付きで提供する。
物件広告は物件概要の入居者向けチラシ版のこと。
カラー印刷で物件の利便性や特長を紹介する。
・顔写真入り名刺
こういう顔をした○○物件のオーナーというのが一目でわかれば、コンタクトしなくとも、営業マンは物件を意識してくれるようになる。
・手土産
手土産をわたす理由は、営業マンが「少しは頑張らなければ」と思ってもらえること。
自分がどこから来たからわかる手土産なら、遠方からきた大家として営業マンに対する印象が強くなる。
また、名刺交換した営業マンには必ずお礼メールを一斉送信しておくことだ。
これも営業マンへの有効な意識付けになる。
キーボックスの利用も、営業マンの入居者案内を促進する有効ツールだ。
管理会社に部屋のカギを預けておくと、営業マンは管理会社まで取りにゆく必要があり、面倒になる。
暗証番号を押すだけで開閉できるキーボックスをドアノブにつけておけば、暗証番号を電話で伝えるだけで営業マンが案内できるようになる。
こうした小さな工夫も満室経営には不可欠だ。