世界の広告を知る【第1回】アメリカの不動産広告に学ぶ:デジタル×ストーリーで魅せるマーケティング最前線

目次

  1. はじめに
  2. デジタル主導のアメリカ式広告手法
  3. Fair Housing法と広告のガイドライン
  4. アメリカらしい文化背景と広告表現
  5. 個人エージェントがブランドになる世界
  6. 地域差と商業不動産の事例
  7. 日本の広告制作に活かせるヒント
  8. おわりに

1. はじめに

こんにちは、株式会社RealtyBank代表の川上です。
このブログシリーズでは、世界の不動産広告事例をピックアップして、日本でも真似できそうなネタをゆるく紹介していきます。僕自身、いままで日本国内の広告用画像制作をメインにやってきましたが、海外の不動産広告を調べるほど「まだまだこんな手法があるのか…!」ってビックリすることばかり。

第1回のテーマは「アメリカ」。
マーケティングの最先端といえばやっぱりUSA! デジタル完結の物件販売やエージェント個人のブランディング戦略など、日本とは全然違うスピード感で進化してます。今回はそんなアメリカの不動産広告を、デジタル活用や文化的視点、法規制面からまとめてみました。


2. デジタル主導のアメリカ式広告手法

  • オンラインポータルが主戦場
    ZillowやRealtor.com、Redfinなど、アメリカには巨大な不動産ポータルサイトが複数あり、そこに物件写真・動画・バーチャル内覧などをガッツリ載せるのが基本。買主の97%がネット検索からスタートすると言われるほど、オンライン完結が当たり前です。
  • SNSと動画活用
    インスタやFacebook、YouTubeを使い個人エージェントが物件紹介をストーリーズで日常的にアップ。ドローン映像で街ごと見せたり、ライブ配信で「今から内覧します!」と実況するパターンも。とにかく“動画”が強いですね。
  • オープンハウスと看板も健在
    伝統的な“フォーセール看板”や週末のオープンハウスも残っていますが、あくまで補助的役割。興味を持った人が最終的にスマホ検索で詳細を見る流れが自然になってきています。

3. Fair Housing法と広告のガイドライン

  • 差別表現は絶対NG
    アメリカではFair Housing Act(公正住宅法)で、人種・宗教・性別・家族構成などによる差別を禁止。広告でも「子供不可」「女性向け」みたいに特定層を排除する書き方は違反になります。
  • 誇大表現や虚偽表示もダメ
    「最高」や「No.1」など客観的根拠がない断定表現にはFTC(連邦取引委員会)などが厳しく目を光らせています。ライセンス情報を載せるなど、透明性確保も重要。

こうした法律があるからこそ、物件そのものの魅力とライフスタイル描写を組み合わせた“誠実な広告”が主流になってる印象です。


4. アメリカらしい文化背景と広告表現

  • マイホーム=夢の象徴
    アメリカンドリームの一環として「家を買う」ことが人生成功のシンボル。広告でも「家族が芝生で遊ぶ」「暖炉の前でくつろぐ」など、幸せな生活をドラマチックに見せるのが得意。
  • 多民族配慮
    モデル写真にも多様な人種や年齢層を登場させ、“誰でも住める”“ウェルカム”感を示す。特定の層だけを映すと差別的と受け取られる可能性があるので、広告主は意識的に多様性を打ち出します。

5. 個人エージェントがブランドになる世界

会社ではなくエージェント個人を前面に出す広告が多いです。「Call Linda, Your Local Real Estate Expert!」みたいな看板を街で見かけるし、SNSでもエージェント自身が動画出演して「私ならこんな提案ができます」とアピール。
日本だと会社ブランド重視がまだ主流ですが、アメリカでは「誰に頼むか」の方が大事なので、個人のキャラと実績を広告でガンガン押してきます。


6. 地域差と商業不動産の事例

  • 都市部vs.郊外
    ニューヨークやサンフランシスコみたいな都市部の広告は高層マンションや狭小物件を「スタイリッシュに都会生活」と描き、テキサスや中西部では「広い庭!BBQが楽しい!」を全面プッシュ、といった具合に大きな違いが出ます。
  • 商業用物件は投資視点
    投資家向け広告では「ROIが何%」「テナント実績」など、数字を重視。LoopNetなど専門サイトに詳細データを載せ、LinkedInで情報拡散するなど、ビジネス色が強いですね。

7. 日本の広告制作に活かせるヒント

  1. デジタル完結へのチャレンジ
    VR内覧や動画コンテンツ、ライブ配信など、アメリカ並みの活用を進めれば日本国内の遠隔ユーザーも取り込めるはず。
  2. 多様性への配慮
    「外国籍不可」「子供NG」みたいな表現は日本でも避ける方向に。差別しない広告が長期的な信頼を呼びます。
  3. ストーリー性重視
    物件スペックだけでなく、その暮らしのシーンを映像や写真で見せるのはかなり効果的。
  4. 個人エージェントの情報発信
    営業担当者自身が顔出しやSNSでの発信を積極化すると、顧客との距離が縮まりやすい。

8. おわりに

アメリカの不動産広告は“デジタル”と“ストーリー”が高度に融合していて、かつ法規制の縛りがしっかりある分、より洗練された演出が求められる世界。
日本もオンライン化や個人ブランディングは広がりつつあるので、今後ますますアメリカ式に近づくかもしれませんね。

次回は「ヨーロッパ編」。欧州はまた規制や文化の色合いが違うので、ぜひお楽しみに!

【アメリカの不動産リスティングサイト】

  • Zillow:https://www.zillow.com
  • Realtor.com:https://www.realtor.com
  • Redfin:https://www.redfin.com
  • Trulia:https://www.trulia.com
  • Movoto:https://www.movoto.com

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