世界の広告を知る【第3回】中国の不動産広告を探る:デジタル超大国で花開くオンライン×文化×規制の妙

目次
- はじめに
- オンラインが当たり前!SNSとライブ配信の威力
- 中国広告法の厳しさと特徴
- 文化背景:風水・家族観・政策への影響
- 都市部と地方の温度差
- 富裕層向け・学区房・商業物件などの事例
- 日本へのインスピレーション
- おわりに
1. はじめに
こんにちは、株式会社RealtyBank代表の川上です。
今回のテーマは「中国」。ITの普及が凄まじく、SNSやライブ配信で物件がバンバン売れる国です。WeChat公式アカウントや抖音(Douyin)での動画内覧が定番化してたり、「ネットで一夜にして1000戸完売」みたいなニュースも珍しくない。
さらに風水や家族観、政府の政策など独特の要素が入り交じるので、広告表現もガラッと変わってきます。そのあたりをザックリ紹介しますね。
2. オンラインが当たり前!SNSとライブ配信の威力
- WeChat公式アカウントが強い
中国最大のSNSであるWeChat(微信)は、デベロッパーや仲介企業にとって欠かせないツール。公式アカウントをフォローしておけば、新築情報やVR内覧リンクがタイムラインに流れてくる。 - 抖音や小紅書のライブ配信
動画系SNSでも「ライブで物件案内→即予約」が可能に。インフルエンサーが出てきて「このバルコニー、景色最高じゃない?」と煽るとコメント欄が盛り上がり、そのまま購買行動に繋がる。
一方、モデルルームや大規模ローンチイベントを豪華にやる手法も変わっておらず、オンライン+オフラインのハイブリッドが特徴的です。
3. 中国広告法の厳しさと特徴
- 絶対的表現禁止
「最高」「No.1」「唯一」「必ず値上がりする」など、断定的な誇張は違法。実際に罰金や広告停止の例も出ています。 - 投機煽りNG
政府が「不動産は住むためのもの、投機対象じゃない」という方針なので、「投資で確実に儲かる」的なコピーはアウト。 - 未許可販売の広告もアウト
デベロッパーが販売許可証(预售许可证)を取得していない段階で宣伝すると処分対象に。
こうしたルールがあるから、煽るよりも「家族の安心」「暮らしの質」みたいなメッセージが増えてきています。
4. 文化背景:風水・家族観・政策への影響
- 風水を意識
広告には「南北通透」「背山面水」「縁起の良い数字」など、風水的な吉兆をチラリと盛り込みがち。 - 家族重視
中国では結婚するときに家が必要という考えが強く、広告にも「新婚さんへ」とか「三世代が快適に暮らせる広さ」など、家族愛を前面に押し出す流れが多い。 - 政策の影響
投機抑制のため、一部エリアで価格制限や広告規制が強化されることもある。学区房の過剰宣伝を取り締まるなど、政府が市場をコントロールしにくるのも中国らしさ。
5. 都市部と地方の温度差
- 大都市:ハイテク&豪華
北京や上海などでは、オンライン完結で契約まで行く事例が増え、モデルルームも超豪華。セレブ向けイベントで芸能人を呼ぶことも。 - 地方都市:素朴かつネットも活用
いまだに街頭スピーカーでアナウンスしたり、電柱に紙を貼るアナログ広告が見られる。一方でWeChatグループで物件情報が回るなど、両方の手法が入り混じってます。
6. 富裕層向け・学区房・商業物件などの事例
- 富裕層向け
上海や深センの超高級物件は「国際都市ライフ」「一流デザイナー起用」などを全面に押し出し、パンフやウェブサイトも英語併記で海外投資家も狙う。 - 学区房
「名門校徒歩5分」などと謳って高値で売る手法があったが、最近は取り締まり強化で誇大表現はできなくなっている。 - 商業物件
政府主導プロジェクトや投資利回りを売りにするが、決して「絶対儲かる」は言えない。代わりに「未来の成長エリア」とぼんやりアピールしたりする。
7. 日本でのヒント
- ライブコマース的手法
中国のようにライブ配信で大量成約という流れは、日本でも可能性あり。インスタライブやYouTubeライブで双方向コミュニケーションを図る。 - オンライン完結モデル
契約まで電子化するのは日本でも徐々に進んでいるので、LINE+不動産ポータル+電子契約システムを組み合わせて、中国並みの便利さを目指すと面白いかも。 - 家族ニーズと文化要素
中国ほど風水重視はなくても、日本にも独自の縁起や家庭観があるので、物件広告でしっかり生活者のストーリーを描くのは有効。 - 誠実な情報提供
「絶対値上がり」「No.1」と大風呂敷を広げず、根拠ある情報を丁寧に出す方が信用度が高まる。投機煽りをしない姿勢は長期的にプラスに働くでしょう。
8. おわりに
中国の不動産広告は、デジタル超大国らしくSNSやライブ配信が主戦場となりつつ、風水や家族文化、政府方針などの要素が複雑に絡むという面白い状況。
日本にも応用できる点が多く、特にオンライン化や文化的アピールの仕方は学べるはずです。次回は「東南アジア編」。シンガポールやタイのSNS活用も負けず劣らず派手なので、お楽しみに!
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