【第6回】南米の不動産広告から学ぶ:情熱×実利を融合したラテン流マーケティング

目次

  1. はじめに
  2. ブラジルの事例:豊かなライフスタイル演出
  3. メキシコの事例:伝統×モダンのハイブリッド
  4. 広告規制と透明性
  5. ラテン文化:家族愛とパーティー精神
  6. 富裕層向け高級物件と一般向け物件
  7. 日本への示唆
  8. おわりに

1. はじめに

こんにちは、株式会社RealtyBank代表の川上です。
世界の不動産広告シリーズ、最終回は「南米」。ここは情熱的なイメージが強いですが、不動産広告にも家族やコミュニティの絆、パーティー文化みたいな要素がガッツリ出てきます。
さらにインフレや治安などシビアな背景もあり、「セキュリティ」「資産保全」といった実利アピールも外せない。そんな“ラテン流の情熱×実利”が混ざった広告事例を、ブラジルとメキシコを中心に紹介します!


2. ブラジルの事例:豊かなライフスタイル演出

  • オンラインポータルとYouTubeが進化中
    サンパウロやリオではOLX ImóveisやZap Imóveisなどのポータルが定着し、VR内覧も増えてきました。YouTubeでのルームツアー動画も人気で、「リオのペントハウスを一望」といったドローン映像が多用されがち。
  • モデルルームはパーティー空間
    週末の内覧イベントがプチパーティー状態。音楽かけてシャンパンやカクテルを振る舞い、来場者がその雰囲気に浸って「なんかいい感じ…買おうかな」と思わせる戦略が主流。
  • 家族や友達とのBBQがキーワード
    広告写真にはバーベキュー用のシュハスコスペースやパーティールームのシーンを載せて、「ここで最高の週末を!」と訴求。バルコニーでの夜景パーティーやプール付きのコンドで家族が遊ぶイメージも多いです。

3. メキシコの事例:伝統×モダンのハイブリッド

  • カラフルで民族色豊かなデザイン
    タラベラ陶器風の背景や、ピンクやオレンジのビビッドカラーを使うなど、ポップで明るい広告が目立つ。リゾート地(カンクン、プラヤ・デル・カルメンなど)は海の写真が鮮やかで、「バケーションライフを手に入れよう!」と宣伝。
  • 大家族・お祭り文化
    メキシコは家族や親戚が頻繁に集まるので、「広いリビングで家族行事を楽しめる」「パティオで誕生日会」などが広告の決め台詞に。宗教行事(クリスマスや死者の日)を連想させる写真を入れる場合も。
  • 都市部と地方の二面性
    メキシコシティでは近代的なタワー広告が多く、英語も併記して外国人を呼び込む。一方、地方では張り紙や地元のラジオCMなどがまだまだ主力だったりして、バランスが面白い。

4. 広告規制と透明性

  • ブラジル:消費者保護法+広告自主規制
    「最高級」「絶対値上がり」など根拠ない表現は違法。Incorporaçãoの登録番号を広告に明示しないとアウトなど、ルールは意外としっかりしてる。
  • メキシコ:NOM-247など新基準
    広告に必須情報を盛り込むことが定められ、虚偽表示や誤解を招く表現を排除する動きが強化。海外投資家誘致が進むので、透明性アップは不可欠という背景。

5. ラテン文化:家族愛とパーティー精神

  • 家は人が集まる場
    広告では、「週末に友達を呼んでホームパーティー」「親族のイベントごとも余裕でこなせる広さ」といった“仲間との楽しみ”を描くことが多い。家はプライベート空間でもあり、社交スペースでもあるという感覚。
  • カトリック行事のシーズン広告
    クリスマス前に「新しい家で迎えるノエルはいかが?」とセールを打つなど、行事と連動して購買意欲を刺激する手法も。音楽や踊りなどの祭りと結びつける演出がよく見られます。

6. 富裕層向け高級物件と一般向け物件

  • 富裕層向け:海辺リゾートや都市ペントハウス
    ブラジルのコパカバーナ沿い、メキシコのカンクンなど、リゾートマンションの広告はドローンで海と青空を映して「非日常生活が手に入る!」と豪華にアピール。英語版パンフやサイトを用意して海外投資家も取り込むケースが多い。
  • 一般向け:月々の支払いを重視
    ローンの頭金や金利、月々いくらで支払い可能かを大きく載せて、「意外と手が届くでしょ?」と説得するスタイル。イベントで支払いシミュレーションを即実施できる仕組みが進んでいる。

7. 日本への示唆

  1. 感情+実利のバランス
    南米は「パーティーや家族愛」といった情緒面と、「治安・インフレ対策」といった実利面を両立して広告する。日本でも“暮らしの楽しさ×具体的な災害対策”を組み合わせると説得力が高まるはず。
  2. イベント型内覧の可能性
    ブラジル式に音楽や軽食を出す内覧会を日本でやれば、盛り上がる可能性大。ショールームをただ見るだけじゃなく、“そこで暮らすイメージ”を体験してもらう演出が有効。
  3. ローンや費用をわかりやすく
    南米は支払い条件をドーンと掲げる広告が多い。日本でも月々○円、ボーナス払いなしなど、わかりやすく書くと購入意欲を後押しできそう。
  4. 色やデザインでも差別化
    ラテン系のカラフルな広告は、若い世代やリゾート物件のPRに取り入れやすい。日本の不動産広告は白地に間取り図が多いイメージなので、ビジュアル面でもっと冒険してもいいかも。

8. おわりに

南米の不動産広告は「情熱」と「現実的メリット」がうまく合わさった世界。家族や友達との充実した時間をロマンチックに描きながら、セキュリティやローン面をしっかり提示するという絶妙なバランスが魅力です。
6回にわたって世界の不動産広告を見てきましたが、どの国にも学べるエッセンスがありましたよね。ぜひ日本でも、海外のアイデアを取り入れて広告の幅を広げてみてください。

【南米】

  • OLX Imóveis:https://www.olx.com.br
  • ZAP Imóveis:https://www.zapimoveis.com.br
  • Inmuebles24:https://www.inmuebles24.com
  • Vivanuncios:https://www.vivanuncios.com.mx

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