不動産営業マンはつらいよ

第1章 つらい不動産営業マンたちのつぶやきPart1

 

第1章では不動産営業マンのツイートをもとに、営業マンの実体験に基づいたコメントを紹介している。

 

その中から10項目をピックアップして紹介する。

 

・かわいがっていた部下が上司になった途端、「おめえ」呼ばわりされたこともある。

 

・基本給20万、歩合給15万に対し、工務店や解体業者からのキックバックが100万円。営業マンの報酬はバランスが悪すぎる。

 

・営業マンは事務員と仲良くしておかないと、仕事がまわらない。営業マンは事務員にも舐められている。

 

・お菓子を渡さないと、コピーもとってくれない事務員もいた。

 

・営業マンは数字を達成しないと人権を剥奪され、生き物のように扱われる。多くは1カ月もたないで辞めてゆく。

 

・土地を仕入れるため、いくつもの宗教団体に加入した。

 

・決済日当日に、物件の新事実を告げられることがある。石油タンクが埋まってるだとか、敷地内で事故死があったなど。

 

・羞恥心がなくなるのも営業マンの特徴。普通の人が恥ずかしく思うような言動も、大して気にならなくなった。

 

・手数料を1万円でも支払ってくれたら「お客様」。お客様から手数料を満額もらえるケースは意外に少ない。

 

・顧客のために資金調達に走り回るが、自分が土地を買う場合は融資が通らない。

 

 

 

第2章 つらい不動産営業マンたちが転職相談を受けてみた

 

第2章は現役営業マンが自分の可能性を探るべく、転職相談を受けた事例を紹介している。

 

■相談者A

 

大卒後大手不動産会社に就職。

 

結婚を機にマイホーム購入と、生活は順調に見える。

 

しかし本人は、大企業ゆえにどこへ飛ばされるかわからない点に不安を感じている。

 

相談者Aには大手での経験や人脈をいかせる、同業界の新興企業が提案された。

 

 

■相談者B

 

学生時代にIT会社を設立し、24歳で会社をたたんで不動産業界へ転職。

 

リテール営業のため、個人客の理不尽な顧客対応に疲れたという。

 

本人は他業種への法人営業転職希望。

 

年齢的に他業種は難しいので、他業種ならベンチャー企業への転職を提案された。

 

 

■相談者C

 

アルバイトを経て不動産業界へ入るも、倒産などにより同業界ながら4社目。

 

身も心もボロボロと申告しつつも、目は死んでいなかった。

 

現職への意欲も感じられたので、Cには現職継続が提案された。

 

 

 

第3章 つらい不動産営業マンはどんな部屋に住んでいるのか?

 

第3章では現役不動産営業マンの住まいを紹介している。

 

■R氏のケース

 

大手不動産会社の仲介事業で働いているR氏は収入も安定しており、一戸建の自宅をローンで購入した。

 

ところが自宅新築時のタイミングで浮気が発覚。

 

家長としての書斎は却下される。

 

代わりに充てがわれたのは、トイレスペースを改装した2畳の自室。

 

椅子の幅すら確保できない空間だという。

 

 

■Y氏のケース

 

年収6千万円のY氏だが、生活感が全くないモデルルームのような部屋に住んでいる。

 

絵画など、うるおいを感じさせるものは一切ない。

 

モノに対する執着がなく、増やさない主義だという。

 

 

■H氏のケース

 

H氏は基本的に几帳面で、部屋を清潔に保っていた。

 

ところが家族が捨てるかどうか迷った荷物が徐々に増え、それが部屋にあふれている状態だ。

 

処分を家族に頼むと「もっと広い家を買え」と一蹴されたという。

 

 

 

第4章 つらい不動産営業マンとゴリゴリ不動産営業マンの着こなし対決

 

第4章ではリアルつらい不動産営業マンと、ゴリゴリ営業マンのビジネス上の着こなしを紹介している。

 

 

■「リアルつらい不動産営業マン」の場合

 

どれだけ無理難題を出されても、顧客ファーストを貫くというのが”リアルつらい不動産営業マン”である。

 

小汚い営業マンは顧客から信頼されないとの考えから、常にクリーニングしたてのYシャツを着用。

 

スラックスにもしっかりと折り目が入っている。

 

 

■ゴリゴリ営業マンの場合

 

裏地にも特別な生地やデザインを施したスーツと、オーダーの靴を着用しているのが”ゴリゴリ営業マン”だ。

 

派手な外観は、輝いて見えた憧れの先輩の姿を模倣しているという。

 

また、後輩にも自分を通して夢を見て欲しいとの思いもある。

 

 

 

第5章 つらい不動産営業マンたちの「あるある」座談会

 

第5章では社内の人間関係や顧客とのコミュニケーションなど、最近あったつらいことについて、現役の不動産営業マンが座談会形式で語った内容を紹介している。

 

ここではその中から7項目を紹介する。

 

・ガソリン代や駐車場代など、経費は自分持ち。積み重なるとバカにならない負担になるだけに、平気でキャンセルしてくる顧客への対応は本当につらい。

 

 

・商談が破談になると、売主は我々を信用してくれなくなる。不動産営業マンは常に売主と買主の板挟みだ。

 

 

・売上が上がれば良いという会社は、大半が体育会系の体質である。

 

 

・上司から鬼詰めされる部下はかわいそうだが、一人が怒られると営業部内全体が緊張する。生贄のようなものだ。

 

 

・社内ハイエナがひどい。感度の高い物件の資料など、勝手にパソコンを開かれて覗かれている。

 

 

・スランプに陥った時がとてもつらい。悩むと行動力も落ち、悪循環になるためだ。

 

 

・話が通じない顧客とのコミュニケーションが、不動産営業にとって最もつらいことかもしれない。

 

 

 

第6章 つらい営業マンたちのつぶやき Part2

 

第6章は第1章Part1の続きとなる。

 

・売地に雑草が生えていたら、全部抜く。スーツは汚れるが、それも仲介手数料の内だ。

 

・同行した自分の先輩が売地で草むしりを始めれば、新人は嫌になって辞めてしまう。

 

・昼飯買いに行ったまま、永遠に帰ってこなかった新人もいる。

 

・自分のポンコツぶりがばれないよう、優秀な若手を潰しにかかる先輩社員もいる。

 

・リテール営業は量が質を凌駕する。愚痴る暇があったら電話したり、飛び込みしたりした方が数字になる面がある。

 

・会社から辞めないよう慰留されているが、条件変更なしである。

 

・女性営業社員は女を捨てるか、女をいかすかで数字が変わる。

 

・社内は基本的に全員敵。部下がつくと自分の活動時間が減るという理由で、野良犬のように扱われている新人もいる。

 

・売主で嫌なのは代替わりした息子。父親は売りたいのに息子が売却を粘る商店など、対応に困る。

 

 

 

第7章 不動産女子あるある言いたい~!

 

第7章は不動産会社の女子社員が語った「あるある話」についての紹介である。

 

・さりげなくボディタッチしてくる社員がいるが、即アウトである。

 

・女子が営業をやっていたら車の運転が上手くなる。首都圏ならカーナビなしで運転できるし、縦列駐車も完璧だ。

 

・不動産会社で男女比は8:2~9:1ぐらい。なのでモテるが、当然相手次第だ。

 

・不動産営業マンはゴリゴリタイプが多いから、社内恋愛ではなく社内不倫が多い。

 

・モテるを通り越して、同僚や顧客からストーカーされることもある。

 

・不動産業界で仕事をしていると、プライベートがおっさん化してくる。女子とおしゃれな店で飲み会ではなく、平気で居酒屋へゆく。

 

 

 

第8章 つらい不動産営業マンにならないための9つのQ&A

 

第8章は”つらい不動産営業マン”にならないための、9つのQ&Aを紹介している。

 

ここではその中から4つのQ&Aを紹介する。

 

 

Q.数字が足りない月末はどう乗り切れば良いか?

 

・ほんとにダメな時は、とりあえず外出して仕事アピールする。

 

・つらいのは自分だけではない。

 

・仲間を見つけると気持ちが楽になる。

 

 

Q.契約寸前の顧客が無茶な要求をしてきたらどうすれば良いか?

 

・法律を盾に、それは違うと説得する。

 

・時間をたっぷりかけて話を聞いた上で、「私は困る」と言って土下座する。

 

 

Q.会社へ行きたくない時はどうするか?

 

・会社の近くへ引っ越せば、会社から迎えが来る。

 

・つらい時は中島みゆきの「ファイト!」を聞く。

 

 

Q.時間をかけ営業した顧客が他決した時はどうすれば良いか?

 

・素直に「おめでとうございます」と言って、顧客や担当者からその理由をたっぷり聞く。そうすれば次のチャンスにつながる場合もある。