松下の夫婦仲良く不動産投資で豊かになる方法

第1章 「松下一郎の生い立ち」

 

私は3人兄弟の長男として、関西のごく平凡な家庭で育った。

 

私が中学生の頃、父親が脳梗塞で倒れた。

 

幸いにも手術は成功したが、父親は右半身に障害が残ってしまった。

 

その結果、父親の収入が閉ざされることになる。

 

その間母親はさまざまなパートをかけ持ちしながら、子ども3人を必死に育ててくれた。

 

母親のおかげで高校は進学できたが、大学受験は当然国公立、自宅通い、現役の三条件が前提となった。

 

阪大進学後も奨学金制度をフル活用。

 

たくさんのアルバイトをしたが、大学在学中は自身の資金繰りに苦労していた。

 

大手メーカーに就職したものの、こうした経験から資金繰りとリスクに対する関心が高かった。

 

その結果「お金のリスクと体のリスクを解決する方法は副業しかない」と考えるに至った。

 

しかし、会社員の私が会社員のまま副業を行うにはあまりに時間がない。

 

そこで、時間効率が高い不動産投資について学ぶことにしたのだ。

 

当時参考になった書物はロバート・キヨサキ氏の『金持ち父さん 貧乏父さん』である。

 

会社員を一生続けていくリスクが書かれており、氏の不動産投資で稼ぐ生き方には大きな影響を受けた。

 

 

 

第2章 不動産投資の仕組み

 

不動産投資のメリットとは何か。

 

私たちの収入は4種類ある。

 

・E:従業員としての給与収入

 

会社員やパートなどが該当。

 

・S:自営業者としての収入

 

フリーランスや医師、弁護士もこのカテゴリーとなる。

 

・B:ビジネスオーナーとしての収入

 

特許やネットワークビジネスの権利収入で儲けている人々。

 

・I:投資家

 

投資することで、お金を働かせている人々。

 

 

EとSは大きな収入を得ても、自分が働き続けないと収入が得られない。

 

一方BとIは、自動でお金が入ってくる仕組みがある。

 

不動産投資はこのBとIの部類に入る。

 

また、私はロバート・キヨサキ氏独特の資産と負債の考え方がとても参考になった。

 

例えば自宅をローンで購入した場合、売却換金ができるので帳簿上「固定資産」に該当する。

 

ところがキヨサキ氏は「住宅ローンを支払うだけなら資産ではなく負債だ」と位置付けている。

 

一方、賃貸アパートをローンで購入し、家賃収入がローンを上回る場合は「資産」と定義付けた。

 

不動産投資はローンを上回ってはじめて「資産」となるのだ。

 

また、不動産投資の魅力はレバレッジ、「テコの原理」が働く点があげられる。

 

加えて不動産投資は節税も容易だ。

 

サラリーマンの給与所得は、ほとんど経費など計上できない。

 

ところが不動産投資で経費を計上すると、給与所得と家賃収入の合算額に対し課税される。

 

その結果、給与所得だけの場合より住民税が減額されるなどの恩恵が得られるのだ。

 

外注化が容易なことも不動産投資の魅力である。

 

もっともこの点は考え方だ。

 

外注して「時間」を買っても良いし、手元資金を残したければ内製して費用を節約することもできる。

 

ただし、不動産投資にもデメリットがある。

 

・すぐにやめることができない

 

不動産はすぐに現金化できないので、簡単にはやめられない。

 

・収益性が低い

 

株やFXと比較して不動産投資は安定させやすいが、収益性は高くない。

 

少しずつ試しながら副業(投資)を選んでいく姿勢が大切である。

 

 

 

第3章 種銭の貯め方

 

もし貯蓄して不動産投資用の種銭を作りたいと考えるなら、支出より貯金を最優先すべきだ。

 

方法としては財形や保険の仕組みを活用するのも有効である。

 

また、不動産投資を行うならパートナーの了解も不可欠だ。

 

私は結婚前に不動産投資を行っていたが、借金があることに不安をぶつけられた。

 

妻に連帯保証をお願いしたり、法人の社長をお願いしたりすることもある。

 

個人の価値観は否定しないが、不動産投資のコンサルティングを行っている経験上、言えることがある。

 

夫婦で取り組むほうが成功しやすいのだ。

 

夫婦二人で力を合わせて取り組めば大変なことは二人で分割できるし、楽しいことは掛け算になる。

 

夫婦仲も自然とよくなる。

 

もしパートナーを巻き込むかどうか迷っているなら、一度パートナーへ話をすることをおすすめする。

 

その際のポイントは「返報性の原理」である。

 

あなたが不動産投資をしたいと望むなら、パートナーが何をしたいのか聞くことだ。

 

私は「予祝」と称し、何かうまくいった未来を想定して家族とよく食事にでかける。

 

そこでさまざまな話が飛び出すが、理解出来なことでもじっくり聞くことが大切だ。

 

パートナーの話でよく理解できないことがあった場合は、周囲に相談してみるのも良い。

 

ただし、同じような価値観の人々がまわりに多い場合は回答も偏ってしまう。

 

「誰に聞くか」も考えることだ。

 

できるだけ「NO」といわず、パートナーが実現したいことが実現できるよう前向きな回答をすること。

 

夫が借金したまま亡くなれば、それを相続する妻が借金を被ることになる。

 

相続を放棄すれば借金は被らずに済むが、資産も相続できない。

 

何億円も借りて不動産投資するなど、突拍子もないことであり、妻にも大変な不安を与える話であることを前提とすべきだ。

 

 

 

第4章 松下流不動産投資「イージーインベスメント」

 

日不動産のキャッシュポイントには

 

・インカムゲイン

 

・キャピタルゲイン

 

以上の二つがある。

 

イージーインベストメントのキャッシュポイントはインカムゲインである。

 

なぜなら、将来の先行きが読めないからだ。

 

ではインカムゲインをどうやって得るのか。

 

方法は一つ、インカムゲインが出る物件を選ぶことに尽きる。

 

不動産投資の成功は物件選定で9割決まると言っても過言ではない。

 

不動産投資の物件選定条件は「収益力」、「稼働力」、「担保力」この三つが重要で、それ以外にはない。

 

■収益力

 

もっとも重視すべきなのが収益力だ。

 

どの数字を選ぶかの最終判断は読者に任せるが、収益力の基準は3つある。

 

・表面利回り

 

年間家賃÷物件価格×100で求められるシンプルな率だ。

 

私は12%以上を基準にしている。

 

 

・返済比率

 

月額ローン(元金+利息)÷月家賃×100で求められる数字が返済比率。

 

返済比率は60%以下を選ぶ。

 

 

・ROI

 

手残り÷投資総額×100がROI。

 

ROIでは3%以上を基準にしている。

 

 

・CCR

 

ROIは投資総額に対する利益率だが、CCRはそれを「自己資本」で計算したものだ。

 

例えば自己資金100万円で1,000万円のアパートを買い、年間の手残りが33万円だとするとCCRは30%。

 

私はCCRは30%以上で選定する。

 

 

■稼働力

 

稼働力のポイントの一つは「客が付くかどうか」である。

 

その点で、土地勘がある自身の在住エリアを1件目に選ぶことを推奨する。

 

加えて、賃貸不動産専門業者にヒアリングを行うことだ。

 

稼働力の基準の二つ目は「建物が壊れないか?」である。

 

税務上の耐用年数は関係ない。

 

わからない場合には、工務店にお金を払って診断してもらうことをすすめる。

 

 

■担保力

 

不動産の価値は「土地+建物」で決まる。

 

固定資産税の明細を確認すれば、一目瞭然だ。

 

担保力が高ければ融資も得やすい。

 

 

最後に空室対策だが、空室が出たら入居者を明確にした上で、家具の設置や敷金、礼金などの見直しを行う。

 

賃貸業者から選んでもらえる大家になることも大切だ。

 

毎週、賃貸業者と緻密な連絡を取り続けよう。